こんばんは。singaporefireです。
成長株投資の名著「オニールの成長株発掘法 【第4版】」を読みました。今後のトレードの参考になる情報が満載でしたので、感じたことを書きます。
全体を通して
オニールのCAN-SLIMの方がより平凡な個人投資家でも理解できるような具体的な項目と数値を提示している印象を受けました。
オニールはInvestors Business Dailyという機関投資家向けの情報誌を作成しており、より組織的に分析を行っている一方、ミネルヴィニは長い時間をかけて個人で分析を行っているような書き口です。ミネルヴィニは天才的、独学、オニールは組織的、秀才といった表現が近いかなと。
EPS成長率を重視
CAN-SLIMのファンダメンタルズ分析では、EPSをかなり重視しています。売上などの業績は、操作がされていないかを見極める必要があるため、単純にスクリーニングに使うのはやや難易度が上がるのかなと感じました。以下、EPSに関する引用です。
- 市場の歴史をひも解くと、株価の急成長には必ず劇的なEPS増加が伴っているのだ
- 銘柄選択においてこのEPSの伸び率の変化こそが現代においては最も重要な要素なのである
- EPS増加率が5%~10%では、株価を大きく上昇させるだけの力はない
- EPSが何はさておき最も重要
オニールの成長株発掘法 第3章より引用
EPSが2章に亘って書かれており、よほど重要なんだなと。ここまでの熱意はミネルヴィニの成長株投資からは感じませんでした。
出来高も重要
ベースからのブレイクアウト+出来高増というエントリーポイントは同じなのですが、CAN-SLIMでは「出来高は少なくとも通常時の40%~50%以上」を判断基準を提供してくれています。
株価上昇時の出来高増は、機関投資家による買い集めのサインとかなり断定に近い形で書いているのは印象に残りました。ミネルヴィニはどちらかというと、適切なベースとVPC(ボラティティの低下)です。
やや飛躍しますが、オニールの本を読んだ後は、最終的には機関投資家による買い支えがあるかどうかを出来高で見ることが重要なんだなと思うようになりました。
- ピボットポイントのブレイクアウトで、比較的安くて素晴らしい成長の期待できる銘柄の出来高が平均以上に上昇する理由は、プロの機関投資家の買いが入ったからだと言ってほぼ間違いない
- 出来高を利用して需要と供給のバランスおよび機関投資家の株式保有の状態を知ることは株を正確に分析するためには不可欠である
オニールの成長株発掘法 第2章より引用
弱気相場での考え方
ミネルヴィニは弱気相場でも先導株を見つけて投資をすれば十分なリターンが得られるというスタンスでしたが、オニールは弱気相場では資金を守るために静観すべきというスタンスです。
上で書いたエントリーポイントの詳細な分析については、おそらくミネルヴィニの精度が高く、これがそのまま弱気相場でも恐れずにエントリーできる要因なのかなと。
- 極論だが、新たな弱気相場が始まったときにできることは、本当はたったの二つしかない。売って撤退するか、空売りをするかだ
- 撤退するならば、弱気相場が終わるまで現金化した資産を持ってそのままおとなしくしていることだ
オニールの成長株発掘法 第9章より引用
損切りは7%~8%
ミネルヴィニは損切りは最大でも10%と書かれていますが、オニールは7%~8%です。オニールの方がどちらかというとリスクを低めに抑える印象を受けましたので、当面は8%の逆指値を入れることにします。
第2部はIBDのこれまでの功績がいかに優れたものかという内容なので、少ししんどくなりました。。話も抽象的でトレードに落とし込みずらいなと。ひとまず強気相場、弱気相場をチェックすることが重要なのは理解できました。
月末には一か月のトレードを振り返って運用ルールを見直そうと思います。
ではまた次回。